相続コラム

~相続に関する税金~
贈与税

2022.06.27

相続に関する税金

贈与税が非課税となるケース  

はじめに

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて贈与税がかからない財産もあります。

本稿では、贈与税がかからない財産をまとめてご紹介いたします。 

贈与税がかからない財産

1.法人からの贈与により取得した財産

贈与税は個人から財産を贈与により取得した場合にかかる税金であり、法人から財産を贈与により取得した場合には贈与税ではなく所得税がかかります。 

2.夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの

ここでいう生活費とはその人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、治療費・養育費その他子育てに関する費用などを含みます。また、教育費とは、学費や教材費・文具費などをいいます。

なお贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けたとしても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には、贈与税がかかります。 

3.宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う一定の者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの 

4.奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品で、一定の要件に当てはまるもの 

5.地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が、心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利 

6.公職選挙法の適用を受ける選挙における公職の候補者が、選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの 

7.特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権

国内に居住する特定障害者(特別障害者または特別障害者以外で、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるなど、その他の精神に障害がある者として一定の要件に当てはまる人)が、特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を取得した場合、「障害者非課税信託申告書」を信託会社などの営業所を経由して納税地の所轄税務署に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額に相当する部分については、贈与税がかかりません。 

8.個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの 

9.直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの 

10.直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの 

11.直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの 

12.相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産

なお、相続財産を取得しなかった人が、相続があった同年中に被相続人から贈与により取得した財産は、相続税ではなく贈与税の対象となりますので注意が必要です。 

おわりに

以上、贈与税がかからない財産をまとめてご紹介しました。

一言に贈与税がかからないと言っても、性格上課税されない財産(上記2.3.4.5.6.8.)、贈与税ではなく所得税や相続税等がかかる財産(上記1.12.)、非課税枠の範囲内であれば贈与税がかからない財産(7.9.1011.)と、それぞれに性質が異なることがお分かりいただけたかと思います。

特に7.9.1011.に関しては所定の手続きも必要になってきますので、ご検討される場合は、経験豊富な専門家へご相談されることをお勧めいたします。

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