2022.08.08
遺言
未成年が書いた遺言は有効?無効?
15歳になったら、遺言を作成できます
民法では、15歳に達したものは、遺言をすることができる、と定められています(961条)。
未成年というのは18歳に満たない方を指します。通常、成年に達するまでは法律行為はできないとされますので、なんとなく遺言もできないのでは?という気がしますが、15歳になれば可能なのです。
なぜ15歳なのか?
15歳になれば、意思能力が認められ、遺言能力があるとされるためです。そのため、法定代理人(保護者)の同意なく、単独で遺言を作成できます。
また、15歳というのは、明治民法の婚姻適齢が男子17歳、女子15歳であったことを受け、年齢の低い方に合わせたとも言われています。結婚したら自身の死後の財産について自身で決められるように、とのことでしょう。
ちなみに民法改正により婚姻適齢は令和4年4月1日より男女とも18歳になりましたが、遺言可能年齢に関しては特に改正はされず15歳のままです。
法的に有効な遺言であれば、無効にはなりません
不幸にして未成年の方が亡くなり、遺言書が見つかったという場合「子供の書いたものだから無効」と考えてしまいそうなものです。しかし、通常の遺言書と同様、法的な要件を満たしていれば、それは有効な遺言書として扱われます。
ただし、遺言書が見つかった時は15歳に達していたが、作成日付が15歳の誕生日前だった、という場合は無効になってしまいます。
おわりに
未成年であっても多くの資産を持っていたり、特定の財産を特定の方に引き継いでもらいたいと思って遺言書を作成することはあるでしょう。未成年だからと言って、遺言が無効になるということはありませんので、頭の片隅に入れておいていただければと思います。
(文責:川上)