遺産分割
異母兄弟・異父兄弟がいるとき
前妻の子も相続できます
以前離婚した配偶者との間に子供がおり、現在の配偶者との間にも子供がいる。特に珍しいことではないかと思います。異母兄弟・異父兄弟(半血兄弟と言います)にも相続権はあるのですが、「親が亡くなった場合」と「兄弟姉妹が亡くなった場合」とで、相続分の割合が異なります。
親が亡くなった場合
お父さんが亡くなったが、前妻との間に子供がいる…というような場合です。この場合、前妻との子供も、通常の「被相続人の子」として相続をすることができます。割合が減るなどという事はありません。
他に子供がいたとはつゆ知らず、遺産を分配した後になって被相続人の子を名乗る人物が現れた…という場合、遺産分割協議は無効となってしまいます。そうならないように、まず亡くなった方の出生~死亡までの戸籍を調べて他に子供がいないか調べましょう。ちなみに認知した子も同様に相続権を得ます。
兄弟姉妹が亡くなった場合
これは、亡くなった方に子供・両親がなく、兄弟姉妹に相続が行ってしまうような場合です。兄弟姉妹相続になった場合、両親が同じ兄弟(全血兄弟)に対して半血兄弟が受け取れる相続分の割合は2分の1となっています。
例えば子供・両親のいない夫婦の一方が亡くなり、その方には全血兄弟と半血兄弟が一人ずついたという場合、それぞれの相続分は配偶者4分の3、全血兄弟12分の2、半血兄弟12分の1となります。
ところで、平成25年の民法改正で嫡出子と非嫡出子の相続分に差がなくなったことは皆さんご存じかと思います。それ以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていたため、この話と混同しないように注意です。
おわりに
亡くなった人に異母兄弟がいた、または前の配偶者との子供がいた…想像するだけでトラブルの予感ですが、きちんと事情を説明し、相続手続きに協力してもらう必要があります。我々専門家のような第三者を介することでスムーズに進むことも多くありますので、お困りの際は一度ご相談ください。
(文責:川上)