相続コラム

~相続に関する税金~
相続税

2022.06.27

相続に関する税金

相続税申告の流れ

はじめに

相続税の申告のためには、相続人の確認、遺言の有無、遺産と債務の確認、遺産の評価、遺産の分割などの手続が必要になります。今回はその手順について簡単にご説明いたします。

ちなみに相続税の申告と納税は、相続又は遺贈により取得した財産(被相続人の死亡前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産を含む)及び相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の額(相続時精算課税に係る贈与については、贈与時の価額)の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合に必要で、その遺産に係る基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も不要です。 

相続人の確認

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人の戸籍謄本を取り寄せて、法定相続人を確認します。相続人が死亡している場合などは、その相続人の出生から死亡の戸籍が必要になることもあります。 

遺言書の有無の確認

遺言書があれば遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受けます。ただし、公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。 

遺産と債務の確認

遺産と債務・葬式費用を調べてその目録や一覧表を作成します。確証となる証明書や領収書なども準備します。 

遺産の評価

相続税法と財産評価基本通達により定められている方法がありますので、それに則って評価します。国税庁のホームページでも確認することができます。 

遺産の分割

遺言書がある場合にはそれによりますが、ない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議をし、遺産分割協議書を作成する必要があります。

なお、相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならないケースがあります。この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産の分割協議を行います。

また、期限までに分割できなかったときは民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告をすることになります。 

申告

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。例えば、1月5日に死亡した場合にはその年の11月5日が申告期限になります。なお、この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。

申告期限までに申告をしなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をした場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合がありますのでご注意ください。

相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合は、被相続人の住所地を所轄する税務署です。財産を取得した人の住所地を所轄する税務署ではありません。 

納税

納税は税務署だけでなく金融機関などでもできます。

税金は金銭で一度に納めるのが原則ですが、相続税については、特別な納税方法として延納と物納制度があります。延納は何年かに分けて納めるもので、物納は相続などで取得した財産そのもので納めるものです。なお、この延納、物納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。 

おわりに

以上が相続税を申告する際の大まかな流れです。しかし実際に個人の方がこの流れの通りにやってみようとすると、一番初めの法定相続人を確定させるところから躓いてしまうことがほとんどかと思われます。そして法定相続人が確定できたとしても相続財産の調査・税金の計算は非常に複雑で、身近な方が亡くなられた悲しみの中で、10か月以内に間違いなく申告・納税をするというのは、相続人の方にとって心身ともに負担が大きい作業です。

弊所では法定相続人の確定から、ネットワークを生かして相続税申告の経験が豊富な専門家をご紹介することも可能ですので、お困りの際はぜひご相談ください。

(文責:尾上)

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