相続コラム

~相続に関する税金~
相続税

2022.06.27

相続に関する税金

相続税の申告に必要な書類

はじめに

相続税の申告には、様々な書類が必要となります。

本稿では基本的なパターンの場合に必要となる書類についてご紹介いたします。 

相続人関係を証明する書類

1.被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等

  →戸籍謄本に記載されている本籍地を管轄する市区町村へ依頼します。

2.相続人全員の戸籍謄本

  →戸籍謄本に記載されている本籍地を管轄する市区町村へ依頼します。

3.遺言書又は遺産分割協議書の写し

  →自筆証書遺言であれば、開封前に検認が必要です。(公正証書遺言の場合は不要)

   遺産分割協議書は相続人全員で協議した上で作成し、全員で署名捺印します。

4.相続人全員の印鑑証明書

  →遺産分割協議書に記載した住所・押印した実印と一致するものが必要です。

   住所地を管轄する市区町村へ依頼します。

5.相続時精算課税適用者がいる場合、被相続人及び相続時精算課税適用者の戸籍の附票の写し

  →附票に記載されている本籍地を管轄する市区町村へ依頼します。 

 

不動産関係の書類

1.固定資産税名寄帳又は納税通知書の課税明細書

  →名寄帳は不動産の所在地を管轄する市区町村へ依頼します。

   課税明細書は毎年送られてくるものです。

2.固定資産税評価明細書

  →不動産の所在地を管轄する市区町村へ依頼します。

3.登記事項証明書

  →法務局へ依頼します。

4.不動産賃貸借契約書の写し(賃貸不動産の場合)

  →お手元にあるものです。 

上場株式関係の書類

1.証券会社の預かり証明書(相続開始日時点の残高証明書)

  →証券会社に依頼します。

2.登録証明書(相続開始日時点の残高証明書)

  →保有されていた上場株式の名義管理人(信託銀行証券代行部)に依頼します。

3.配当金の支払通知書

  →決算ごとに送られてくるものです。 

投資信託、その他の金融商品関係の書類

1.評価額証明書(相続開始日時点の価額が記載されているもの)

  →証券会社に依頼します。 

預貯金関係の書類

1.評価額証明書(相続開始日時点の価額が記載されているもの)

  →各取引金融機関に依頼します。

2.過去5年分の通帳等の写し

  →お手元にあるものです。

   紛失している場合は、金融機関に取引履歴を依頼することもできます。

3.手元現金の残高が分かる書類

  →手元現金とは、お財布やタンス預金など家の中にある現金のことです。

   ご自身で数えて任意の資料を作成するケースが多いです。 

保険関係の書類

1.生命保険金支払通知書

  →生命保険金を受け取った際に、保険会社から送られてくるものです。

2.生命保険証書

  →お手元にあるものです。

3.火災保険等の保険証書等

  →お手元にあるものです。

4.解約返戻金のわかる書類

  →医療保険のみの契約等、実際に相続開始日時点で解約となる保険の場合には、保険会  社から送られてきます。

   被相続人の死亡後も継続する保険(火災保険や、契約者・被保険者が被相続人以外の保険)の場合には、相続開始日時点に解約したとしたらいくら戻ってくるかという計算をしたものを保険会社に依頼します。 

その他の財産関係の書類

1.ゴルフ会員権やリゾート会員権

  →お手元にあるものです。

2.金地金・貴金属・書画・骨董等

  →名称・種類・購入年月日・購入金額・購入先が確認できるもの又はメモ

   金は死亡日時点の価額を確認する必要があります。

   ものによっては鑑定が必要になるケースもあります。

3.死亡退職金の支払通知書

  →死亡退職金を受け取った際に送られてくるものです。

4.金銭消費貸借契約書(貸付金がある場合)

  →お手元にあるものです。

 

債務・葬式費用関係の書類

1.借入残高証明書や金銭消費貸借書(借入)

  →金融機関に依頼したり、お手元にあるものを使用します。

2.相続開始後に支払われた領収書などで金額の確認が分かるもの

  →相続開始日現在未払の医療費、住民税、国民健康保険料、所得税、固定資産税、光熱費等などが該当となります。

3.葬儀関係費用の領収書

  →通夜、葬儀に関する費用、食事代、お布施、心づけ等が該当となります。

 

相続開始前3年以内に贈与がある場合に必要な書類

1.贈与税の申告書(控)

  →お手元にあるものです。

基礎控除(110万円)以下の贈与で贈与税の申告をしていない場合、振込を受けた通帳など贈与の時期と額が分かる書類(贈与契約書等)が必要です。

 

相続時精算課税制度の適用を受けている方が必要な書類

1.相続時精算課税制度選択届出書(控)

2.贈与税申告書(控)

3.参考書類:贈与を受けた資金の使途が分かる書類

  →すべてお手元にあるものです。

 

相続人に未成年者や被後見人、障害者がいる場合

1.特別代理人の審判書謄本や後見人・後見監督人の登記事項証明書

  →特別代理人を選任した場合は、裁判所から審判書謄本が交付されます。

   後見人等の登記事項証明書は、法務局に依頼します。

2.障害者手帳

  →お手元にあるものです。

おわりに

以上の通り、相続税の申告に必要な書類は本当に多岐にわたります。

今回ご紹介した書類は基本的なものですが、特殊な財産(非上場株式など)を保有している場合・税額軽減などの特例を受ける場合・延納や物納にて納税する場合など、さらに必要な書類が増えるケースも多くあります。

個人の方がひとりで書類を過不足なく収集することは非常に困難かと思いますので、ぜひ経験豊富な専門家にご相談されることをお勧めいたします。

(文責:尾上)

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