相続コラム

~相続財産(遺産)~
動産の相続

2022.08.23

相続財産(遺産)

動産の評価はどのようにされるのか

はじめに

相続財産として代表的なものは不動産や預貯金・株式等の金融資産ですが、動産についても相続財産として数えられ相続税の課税対象となるものがあります。
資産価値について、不動産を例に挙げると固定資産課税明細書や固定資産評価証明書などの公的書類を用いて確認しますが、では動産はどのように評価されるのでしょうか。 

動産の評価方法

(1)一般動産

一般動産として、家具や自動車・衣服などの家庭用動産や、機械や工具などの事業用財産が挙げられます。
一般動産については原則として1個または1組ごとに評価を行い、市場における売買実例価格もしくは、専門家の鑑定による精通者意見価格によって評価額が算定されます。
もし売買実例価額や精通者意見価格等がわからない場合は、その動産と同種、同規格の新品の小売価額から、動産の製造時から評価時までの償却費の合計や減価の額を考慮して評価することになります。
また、動産を取得した後に多額の改良費や解体費、運搬費などを支出した場合は、その点も考慮して評価を行います。 

(2)たな卸商品等

たな卸商品として、商品、原材料、半製品、仕掛品、製品、生産品その他これらに準ずる動産が挙げられます。
商品の評価は相続発生時の販売価格から、販売業者に帰属すべき適正利潤の額や予定経費の額、その商品につき納付すべき消費税額等を控除した金額となります。
原材料においては相続発生時の仕入れ価格と、その原材料の仕入れに要した運賃などを合計した額が評価額となります。 

(3)牛馬等

牛馬等とは、牛・馬等の家畜、養魚等をいいます。
業者が販売目的で有するものは(2)のたな卸商品等と同じように評価を行いますが、それ以外の場合は売買実例価額、精通者意見価格などを参考に評価を行います。

(4)書画骨とう品

牛馬等と同様に、業者が販売目的で有するものは(2)のたな卸商品等と同じように評価を行いますが、それ以外の場合は売買実例価額、精通者意見価格などを参考に評価を行います。 

(5)船舶

船舶については、原則として売買実例価額、精通者意見価格を参考に評価を行います。
ただし、売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでない船舶については、その船舶と同種同型の船舶を相続発生時において新造する場合の価額から、船舶建造時から相続発生時までの期間の償却費の額の合計額または減価の額を控除した金額によって評価します。 

おわりに

動産の評価は相続税の課税基準額を算定するために必要となります。
また、相続人間で行う遺産分割協議においても、評価額を可能な限り明確にしておけば相続動産の分割方法によって生じる相続人間のトラブルを防ぐことに繋がります。
先述の通り動産の種類によって算定方法も異なりますので、まずは査定の専門家に評価を依頼することをおすすめします。 

(文責:坂本)

 

 

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