相続コラム

~遺言~
遺言書を書いた後

2022.08.05

遺言

遺言書の検認手続きとは

はじめに

検認とは、裁判所によって遺言書そのものを検証する手続きのことです。
検認は、遺言書の効力を確定するものではなく、偽造や変造を防ぎ、遺言書の状態を確定するための作業です。封印がされていなくても同様です。
よって、検認が終わってから遺言内容の有効性等については裁判で別途争うことが出来ます。なお、公証人が作成する公正証書遺言については、検認の手続きは不要です。 

遺言書を見つけたら

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出し、検認の請求をしなければなりません。保管者がいない場合、遺言書を発見した人は検認請求をする必要があります。検認の請求を怠り、遺言を執行すると5万円以下の過料です。
封印のある遺言書は家庭裁判所において相続人または代理人の立会いの下でなければ開封することは出来ません。勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられます。
ここでいう遺言書とは、タイトルが「遺言書」ではなく、遺書、覚書、~家家訓等という表題でも実際に遺言者の遺言する意思が記載されている文書であれば検認が必要です。 

検認の申立て

管轄は相続開始地の家庭裁判所になります。相続開始地とは、亡くなった方の最終の住民票のある地域を管轄する家庭裁判所です。
申し立て費用は、収入印紙800円と予納切手(相続人等の数による)になります。必要書類は、検認申立書と当事者目録、申立人・遺言者・相続人・受遺者の戸籍謄本と住民票等です。申立書と目録は裁判所ホームページでダウンロードできます。 

注意点

検認日には絶対行かなければならないというわけではありません。あくまで行く機会を与えたということが大切です。立ち会わなかった人には裁判所から通知がされます。当日は必ず遺言書を忘れずに持って行ってください。
検認手続きには1か月ほど掛かります。つまりその間は遺言の執行は出来ません。お金を引き出したりすることができないのでご注意ください。相続放棄、限定承認をする可能性がある場合は期間が決まっておりますので、並行して進める必要があります。 
(文責:高橋) 

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