相続コラム

~相続登記~
相続登記の基本

2022.11.18

相続登記

相続登記に必要な書類はこれ! 相続のパターンによって違うんです

はじめに

いざ相続登記手続きをやる、となった際に必要になってくるのが相続関係を証明するさまざまな書類たち。
人生で経験する回数が非常に少ない相続登記手続きにおいて、必要書類についても当然疑問が浮かんでくると思います。 

「何を準備すればいいの?」
「それってどんな書類?何が書いてあるの?」 

今後相続登記が義務化された際には、決められた期限までに登記を完了させなければ過料の対象となります。
書類が多くて面倒に感じ手続きしないでおくと、余計なお金を払うことになる可能性があるのです。
よって書類への理解を深め、余裕をもって準備をしていくことが大切です。

また、実は司法書士等に登記手続きを依頼する際に事前に書類を準備しておけば、書類取得における委任費用を削減することができ、全体的にかかる費用を抑えられるというメリットもあります。 

ここでは相続に関係してくる主な書類の解説と、実際にどの書類が必要なのか相続のパターン毎に紹介いたします。 

相続に関わる主な書類たち

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

本籍地、出生や婚姻、父母の氏名や続柄など、身分に関することが記載されています。
戸籍は夫婦と未婚の子によって構成されているため、結婚等により新たな戸籍が生まれます。
戸籍謄本と戸籍抄本の違いですが、謄本は戸籍に記載されている全部事項の写しであり、抄本は戸籍に記載されている個人事項の写しです。
謄本のことを「全部事項証明」、抄本のことを「個人事項証明」ともいいます。

住民票の除票

現在住所登録している場所を証明するものが住民票であり、転出や死亡等でその住民票から除かれたことを証明するものが住民票の除票です。
亡くなった方がかつて住んでいた場所や、どこからどこへ移ったのかを証明することができます。 

相続関係説明図

戸籍謄本を元に作成する、いわゆる「家系図」のことです。
亡くなった方(被相続人)の情報と併せて、各相続人の住所や氏名、亡くなった方と各相続人の関係などを図にしてわかりやすく記載します。
こちらは市役所や法務局等で発行してもらうものではありません。自分で作成する必要があるため、ご注意ください。 
相続関係説明図とは?

印鑑証明書

契約や相続など、法的な手続きに使用する「実印」を証明する書類です。
遺産分割協議書や委任状など、書類に押印されているものがご本人様のものであるのか証明するために必要となります。
発行の前に印鑑登録手続きを行う必要があります。 

固定資産評価証明書

固定資産証明書は、土地や建物などの固定資産の評価額を証明する書類です。
その資産の所有者や所在地、固定資産税評価額等が記載されており、固定資産評価証明書を見るとその資産価値の目安が分かり、その金額をもとに固定資産税を計算することができます。
固定資産税や相続税、贈与税、登録免許税などの税金を計算する必要があるタイミングで必要になるため、相続登記の際にも必要になるのです。 

相続放棄申述受理証明書

プラス財産もマイナス財産も、どちらも一切相続したくない場合に行う意思表示が「相続放棄」です。
特定の相続人が相続放棄を希望し、今回の相続登記には関与していないことを証明するための書類です。
相続放棄については別途コラムを作成しておりますので、ぜひご参照ください。  

必要な書類チェックリスト

では実際にどの書類が必要になるのでしょうか。
主な相続パターン3つを挙げましたので、自分がどれに当てはまるのかご確認いただき、それぞれチェックしてみてください。
また、こちらに記載しております書類は基本的に必要とされているものとなります。
皆様の相続事例によって内容が異なることがございますので、ご了承ください。

①遺産分割協議による場合

亡くなった方の遺言がなく、相続人全員で遺産をどのように分担するか決めることが遺産分割協議です。
例えば住んでいた家は配偶者に、〇〇の土地や預貯金は子供に、など細かく決定します。

《主な必要書類》
□亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
□亡くなった方の住民票の除票
□相続人全員の戸籍謄本
□相続関係説明図
□遺産分割協議書(相続人全員押印済み)
□相続人全員の印鑑証明書
□不動産取得者の住民票
□対象不動産の固定資産評価証明書
□相続放棄申述受理証明書(※放棄の相続人がいる場合のみ) 

②法定相続による場合

亡くなった方の遺言がなく、遺産分割協議も行わず、法定相続通りに相続人全員で遺産を共有する方法です。
法定相続とは?

《主な必要書類》
□亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
□亡くなった方の住民票の除票
□相続人全員の戸籍謄本
□相続関係説明図
□不動産取得者の住民票
□対象不動産の固定資産評価証明書
□相続放棄申述受理証明書(※放棄の相続人がいる場合のみ) 

③遺言による場合

亡くなった方の遺言がある場合は必要書類も変わってきます。
自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は家庭裁判所の検認が必要なため、登記手続きの前に検認を終わらせておきましょう。

《主な必要書類》
□遺言
□亡くなった方の住民票の除票
□亡くなった方の戸籍謄本(死亡記載のあるもの)
□不動産取得者の戸籍謄本
□不動産取得者の住民票
□対象不動産の固定資産評価証明書 

前記のとおり、これらの書類はあくまで基本的に必要とされているものです。
不安な場合や相続関係が複雑な事例の場合、司法書士等の専門家にご確認いただくことをおすすめします。 

(文責:坂本)

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